2011-05-12 コモディティー下落、債券買い。
(朝)
ドラギ・イタリア銀行(中央銀行)総裁は、ECBの次期総裁に就任してそのかじ取りを担うに当たり、ドイツの政策マニュアルに手を伸ばすことになるかもしれない。 ドラギ総裁は11月1日にトリシェ氏に代わってECB総裁に就任することが確実となった。だが、ドラギ氏が引き継ぐECBの姿はトリシェ氏が8年前に就任した当時と同じ組織とは思えないほど大きく変容している。世界的な金融危機と今も続く欧州のソブリン債危機への対応で非伝統的措置を導入した結果、ECBのバランスシートは1兆9000億ユーロ(約218兆円)規模に達し、倍以上に拡大した。 ドイツのメルケル首相は11日にドラギ氏支持を公に表明した。これは、主に南欧諸国の放漫財政が招いた現在の危機打開に向けて、ECBのかじ取りの責任をイタリア出身のセントラルバンカーが担うことを意味する。メルケル首相は、ドイツ連邦銀行の金融引き締め重視の伝統に従うことを期待してドラギ氏を支持するとはっきりと述べている。 ソシエテ・ジェネラルのロンドン在勤エコノミストで、ECB勤務の経験も持つジェームズ・ニクソン氏は、「ドラギ氏は自らのインフレ・タカ派としての資質を強くアピールするために多大な努力を強いられるだろう」と指摘。「ソブリン債務再編という現実の脅威に取り組む必要もあり、イタリア人がこの特別な任務の遂行に最適だとドイツ人を納得させるのは至難の業だろう」と話す。ECBはトリシェ総裁の下で、ギリシャやアイルランドの銀行の資金繰りを支え、ソブリン債のデフォルトを回避するため、市場に低金利で大量の資金を供給、国債の買い入れにも踏み切った。ギリシャが財政立て直し努力を強いられる状況が続いているが、ドラギ次期総裁はインフレ懸念を緩和するため、それら非伝統的措置の解除にやがて動かざるを得ない。 バークレイズ・キャピタルのエコノミスト、ジュリアン・キャロー氏は「市場が予想する通り、トリシェ総裁が10月に追加利上げを行えば、ドラギ氏は来年1月に次の利上げを期待される状況に置かれるだろう」と予測。経済成長は年内に鈍化する可能性があり、「なぜ失業が増加しているのかという難問に直面せざるを得ない」とみている。 【トリシェさん、ご苦労様。初代ミスターユーロ、ドイセンベルク氏は、直ぐにお亡くなりになられたので、お体に気をつけて。あっ、まだ任期大分残ってますね。】
ニューヨーク連銀は12日から来月9日にかけて約930億ドルの米国債を購入すると発表した。CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏によれば、これにより量的緩和第2弾として知られる6000億ドルの米国債購入プログラム完了に向け約500億ドル未満に接近する。 バークレイズのマイケル・ポンド氏は「量的緩和第2弾を実施することで、FRBが投資家を国債市場から締め出し、よりリスクの高い資産へと追いやったように、FRBの購入プログラム終了に伴いこうした投資家が国債市場に戻ってくるのではないかという不安がある」と指摘。「この日の取引は、投資家のリスク回避を示している。リスクを避けるということは、国債市場に戻ってくるということだ」と述べた。 【なかなか面白い表現です】
BOEのキング総裁は11日、インフレ率が「不快なほどの高水準」にとどまっていると述べた。英中銀は同日、インフレ見通しを引き上げた一方、経済成長については従来予測から下方修正した。 キング総裁はロンドンで記者団に対し、「景気の下方修正とインフレ率の上方修正という来年をめぐる予測を修正する最近の傾向が続いている」と説明。インフレ率は「不快なほどの高水準にあり、2%の目標を上回っている。公共料金が今年さらに上昇した場合、インフレ率が5%に達する確率が高い」との見方を示した。 英中銀は同日公表した四半期物価報告で、「経済成長が中期的に2月の報告よりもやや弱まる結果となる可能性が高い。一段と緩やかな消費の回復と純輸出からの押し上げがそれほど顕著でないことを反映する」と指摘。「インフレ率が年内に5%に達する確率が高い。どちらかといえば2012年いっぱいを通じて目標の2%を超える水準にとどまる公算が大きい」と分析した。
3月の米貿易赤字額は市場の予想以上に拡大した。輸出額は伸びたものの、約2年ぶり高水準にある原油価格の影響で輸入額が輸出額を大幅に上回る伸びを示したことが原因。財とサービスを合わせた貿易赤字は482億ドルと、前月の454億ドル(速報値は458億ドル)から6%増加した。予想の中央値では、3月は470億ドルの赤字だった。3月の輸入は前月比4.9%増の2208億ドルと、2008年8月以来の高水準。前月は2104億ドルだった。燃料の大幅な値上がりや自動車・コンピューターの需要増加が影響した。 輸出は4.6%増の1727億ドルで、伸び率は1994年3月以来最大となった。海外で自動車や化学製品、産業機械の需要が拡大した。GDP算出に使用されるインフレの影響を控除した実質財収支は501億ドルの赤字と、前月の493億ドルの赤字から赤字幅が拡大した。
市場では、株が売られ債券が買われた。ユーロが続落し、クロス円が売られた。ロンドンJGB先物は140.63で帰って来た。今日は10年国債入札。
(前場)
オーストラリアの4月の雇用者数は市場予想に反して前月比で減少し、マイナス幅は2009年以来の大きさとなった。鉱業ブームの影響が少ない州で採用が減少した。発表後、豪ドルは米ドルに対して下落している。 豪統計局が12日発表した4月の雇用者数は、前月比2万2100人減。予想中央値は1万7000人の増加だった。3月は4万3300人増(改定値)。失業率は4.9%で前月と変わらず。ANZのリキ・ポリジェニス氏は統計発表前のリポートで、フルタイムの雇用者数が過去2カ月で8万人余り増加しており、4月に統計上の反動が起きる公算が大きいとの見方を示していた。同氏の予想は5000人減だった。 4月はフルタイムの雇用者数が前月比4万9100人減少した。パートタイム雇用は2万6900人の増加。15歳を上回る人口に占める労働力人口の割合を示す労働参加率は65.6%と、3月の65.8%から低下した。 【RBSのエコノミストによると失業率は4.85%で四捨五入では4.9%なものの改善を示し、噂になっているNSWの結果はABS(オーストラリア統計局)に問い合わせた結果、恐らく訂正されるはずとのこと。そして+23Kの結果が出ているべきものと見ているらしい。さて、訂正されるか?】
ドラギ・イタリア銀行(中央銀行)総裁は、ECBの次期総裁に就任してそのかじ取りを担うに当たり、ドイツの政策マニュアルに手を伸ばすことになるかもしれない。 ドラギ総裁は11月1日にトリシェ氏に代わってECB総裁に就任することが確実となった。だが、ドラギ氏が引き継ぐECBの姿はトリシェ氏が8年前に就任した当時と同じ組織とは思えないほど大きく変容している。世界的な金融危機と今も続く欧州のソブリン債危機への対応で非伝統的措置を導入した結果、ECBのバランスシートは1兆9000億ユーロ(約218兆円)規模に達し、倍以上に拡大した。 ドイツのメルケル首相は11日にドラギ氏支持を公に表明した。これは、主に南欧諸国の放漫財政が招いた現在の危機打開に向けて、ECBのかじ取りの責任をイタリア出身のセントラルバンカーが担うことを意味する。メルケル首相は、ドイツ連邦銀行の金融引き締め重視の伝統に従うことを期待してドラギ氏を支持するとはっきりと述べている。 ソシエテ・ジェネラルのロンドン在勤エコノミストで、ECB勤務の経験も持つジェームズ・ニクソン氏は、「ドラギ氏は自らのインフレ・タカ派としての資質を強くアピールするために多大な努力を強いられるだろう」と指摘。「ソブリン債務再編という現実の脅威に取り組む必要もあり、イタリア人がこの特別な任務の遂行に最適だとドイツ人を納得させるのは至難の業だろう」と話す。ECBはトリシェ総裁の下で、ギリシャやアイルランドの銀行の資金繰りを支え、ソブリン債のデフォルトを回避するため、市場に低金利で大量の資金を供給、国債の買い入れにも踏み切った。ギリシャが財政立て直し努力を強いられる状況が続いているが、ドラギ次期総裁はインフレ懸念を緩和するため、それら非伝統的措置の解除にやがて動かざるを得ない。 バークレイズ・キャピタルのエコノミスト、ジュリアン・キャロー氏は「市場が予想する通り、トリシェ総裁が10月に追加利上げを行えば、ドラギ氏は来年1月に次の利上げを期待される状況に置かれるだろう」と予測。経済成長は年内に鈍化する可能性があり、「なぜ失業が増加しているのかという難問に直面せざるを得ない」とみている。 【トリシェさん、ご苦労様。初代ミスターユーロ、ドイセンベルク氏は、直ぐにお亡くなりになられたので、お体に気をつけて。あっ、まだ任期大分残ってますね。】
ニューヨーク連銀は12日から来月9日にかけて約930億ドルの米国債を購入すると発表した。CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏によれば、これにより量的緩和第2弾として知られる6000億ドルの米国債購入プログラム完了に向け約500億ドル未満に接近する。 バークレイズのマイケル・ポンド氏は「量的緩和第2弾を実施することで、FRBが投資家を国債市場から締め出し、よりリスクの高い資産へと追いやったように、FRBの購入プログラム終了に伴いこうした投資家が国債市場に戻ってくるのではないかという不安がある」と指摘。「この日の取引は、投資家のリスク回避を示している。リスクを避けるということは、国債市場に戻ってくるということだ」と述べた。 【なかなか面白い表現です】
BOEのキング総裁は11日、インフレ率が「不快なほどの高水準」にとどまっていると述べた。英中銀は同日、インフレ見通しを引き上げた一方、経済成長については従来予測から下方修正した。 キング総裁はロンドンで記者団に対し、「景気の下方修正とインフレ率の上方修正という来年をめぐる予測を修正する最近の傾向が続いている」と説明。インフレ率は「不快なほどの高水準にあり、2%の目標を上回っている。公共料金が今年さらに上昇した場合、インフレ率が5%に達する確率が高い」との見方を示した。 英中銀は同日公表した四半期物価報告で、「経済成長が中期的に2月の報告よりもやや弱まる結果となる可能性が高い。一段と緩やかな消費の回復と純輸出からの押し上げがそれほど顕著でないことを反映する」と指摘。「インフレ率が年内に5%に達する確率が高い。どちらかといえば2012年いっぱいを通じて目標の2%を超える水準にとどまる公算が大きい」と分析した。
3月の米貿易赤字額は市場の予想以上に拡大した。輸出額は伸びたものの、約2年ぶり高水準にある原油価格の影響で輸入額が輸出額を大幅に上回る伸びを示したことが原因。財とサービスを合わせた貿易赤字は482億ドルと、前月の454億ドル(速報値は458億ドル)から6%増加した。予想の中央値では、3月は470億ドルの赤字だった。3月の輸入は前月比4.9%増の2208億ドルと、2008年8月以来の高水準。前月は2104億ドルだった。燃料の大幅な値上がりや自動車・コンピューターの需要増加が影響した。 輸出は4.6%増の1727億ドルで、伸び率は1994年3月以来最大となった。海外で自動車や化学製品、産業機械の需要が拡大した。GDP算出に使用されるインフレの影響を控除した実質財収支は501億ドルの赤字と、前月の493億ドルの赤字から赤字幅が拡大した。
市場では、株が売られ債券が買われた。ユーロが続落し、クロス円が売られた。ロンドンJGB先物は140.63で帰って来た。今日は10年国債入札。
(前場)
オーストラリアの4月の雇用者数は市場予想に反して前月比で減少し、マイナス幅は2009年以来の大きさとなった。鉱業ブームの影響が少ない州で採用が減少した。発表後、豪ドルは米ドルに対して下落している。 豪統計局が12日発表した4月の雇用者数は、前月比2万2100人減。予想中央値は1万7000人の増加だった。3月は4万3300人増(改定値)。失業率は4.9%で前月と変わらず。ANZのリキ・ポリジェニス氏は統計発表前のリポートで、フルタイムの雇用者数が過去2カ月で8万人余り増加しており、4月に統計上の反動が起きる公算が大きいとの見方を示していた。同氏の予想は5000人減だった。 4月はフルタイムの雇用者数が前月比4万9100人減少した。パートタイム雇用は2万6900人の増加。15歳を上回る人口に占める労働力人口の割合を示す労働参加率は65.6%と、3月の65.8%から低下した。 【RBSのエコノミストによると失業率は4.85%で四捨五入では4.9%なものの改善を示し、噂になっているNSWの結果はABS(オーストラリア統計局)に問い合わせた結果、恐らく訂正されるはずとのこと。そして+23Kの結果が出ているべきものと見ているらしい。さて、訂正されるか?】
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